海上コンテナトレーラーの左折は、普通車とはまったく異なる軌跡を描きます。
ベテランの方は感覚でわかっていることでも、特に初心者は最初に構造と理屈で正確に理解することが重要です。
この記事では、40ft・20ftシャーシの交差点左折時の内輪差と進路を図解し、安全な運転操作のための基礎知識をわかりやすく解説します。
「40ftは4車線食い潰す」「20ftは3車線食い潰す」
トレーラーの左折時は、ヘッドの軌跡とシャーシ後輪の軌跡が大きく異なります。
40フィートシャーシでは少なくとも4車線分のスペースを使って回り込む必要があります。
20フィートシャーシでも最低3車線分は必要です。
この広い内輪差を理解せずに運転すると、道路構造物や他のクルマとの接触リスクが高まりますので、最初に頭に叩き込んでおきましょう。

40ftで、Rがゆるい場合
交差点のカーブ半径R がゆるい、つまり「大きく回れる交差点」を40ftシャーシで左折する場合は交差点をいったん通り過ぎてから左折を開始します。
これはシャーシ後輪を道路構造物などにぶつけないために必要な操作です。
慌ててハンドルを切らず、十分に前へ出てから回ることがポイントです。

40ftで、Rがゆるくない場合
交差点のカーブ半径R がさほどゆるくない交差点で左折する場合は、左折先の3車線を使うことになります。
これは後輪が大きく内側へ巻き込むため、避けられない軌跡です。
左折先で対向車が停止していると十分なスペースがなかったりしますが、そういう時こそ②でヘッドを十分前に出してからコンパクトに左折することを心掛けましょう。

40ftで、路地から出る場合
狭い路地から大通りへ左折する場合も、左折先の3車線分を占有します。
周囲の歩行者や自転車に気を配りつつ、右から来るクルマがいないこと、そして下図の場合であれば左から来るクルマもいないことも確認してから左折を開始しましょう。
初心者は事前にシミュレーションして、動きのイメージを頭に叩き込んでおいてください。

感覚を掴むまでの、私の試行錯誤
この記事で解説した内容は、Kaicon.jpの中の人自身が、海コントレーラーの運転を始めた当初に直面した課題から生まれたものです。
「これは感覚だけで運転していたら危ない。まずは内輪差の量を定量的に把握しよう」と考え、試行錯誤を重ねて導き出しました。
その上で、交差点を左折する際には、交差点の形状を見て「1、2、3、4。あそこまで先に進んでからヘッドを旋回させる」と頭で理屈を組み立てながら運転しました。
すると、交差点でシャーシ後輪が縁石に乗り上げたり、乗り上げそうになって立ち往生するようなことが激減したのです。
こうした工夫を重ねた結果、2年目くらいからはさほど意識せずに自然に安全な左折ができるようになりました。
この記事が、これから海コントレーラーを運転する皆さんの助けになれば嬉しいです。