海コントレーラーが接車する現場は、障害物が多いものです。
庇(ひさし)を支える柱。
現場で待機している他社の車両。
こうしたものが障害物になります。
ドライバー目線では、こう思うこともあります。
「バースは他にもあるのだから、わざわざ柱の隣でなくてもいいのでは」
「よりによって、そこに停めて待機しなくてもいいのでは」
とはいえ、偶然も含めて、このような状況は日常茶飯事です。
そこで今回は、「柱」と「待機車両」が障害物になる現場での接車と退出をシミュレーションしてみました。
まずは、アニメーションをご覧ください。
以下に、接車と退出の場面について補足します。
1.接車
接車時は、まず柱側へシャーシを寄せる体勢を作ります。
その後、ヘッドを待機車両と平行に近い形でバックさせます。
バックしながら、徐々に折っていきます。
本来であれば、もう少し早い段階でヘッドを起こしたいところです。
しかし、この現場には待機車両があります。
待機車両をかわすまでは、ヘッドを起こせません。
そこで、待機車両をかわす位置まで待ちます。
そこから一気にヘッドを起こします。
そのままでは、姿勢がきれいに揃いません。
最後は切り返しを使い、接車位置を整えました。

2.退出
退出時も注意が必要です。
接車で苦労した現場です。
そのまま右旋回で出ようとすると、シャーシが柱を巻き込んでしまいます。
そこで、まずはいったん左へ振ります。
次に、待機車両の後ろ側へヘッドを寄せます。
そこからバックで、直角折れの体勢を作ります。
直角折れを維持したまま、少し旋回します。
待機車両をかわせる位置まで、車両全体を持っていきます。
こうすることで、シャーシが柱を巻き込まずに脱出できます。

なお、この退出方法は、実際の現場で先着していた他社ドライバーさんの動きを参考にしたものです。
その方法をもとに、シミュレーションしました。
まとめ
今回のような現場では、柱だけを見ても正しい取り回しは見えてきません。
待機車両だけを見ても同じです。
大事なのは、「どの障害物を、どの順番でかわすのか」を考えることです。
接車時は、待機車両をかわすまでヘッドを起こせない場面があります。
その場合、無理に一発で決めようとする必要はありません。
かわせる位置まで待ちます。
そこからヘッドを起こします。
必要に応じて、切り返しで姿勢を整えます。
退出時は、接車時とは逆の動きになるとは限りません。
そのまま出ようとすると、柱を巻き込むことがあります。
いったん左へ振ることも必要です。
バックで直角折れを作ることもあります。
先に脱出できる角度を作ってから出る。
そんな考え方が必要になります。
狭い現場では、「入れる技術」だけでは足りません。
「出るための形を作る技術」も重要です。
こうした取り回しは、現場で他のドライバーさんの動きを見ることでも学べます。
うまい人の動きには、必ず理由があります。
一発で入れることよりも、障害物を巻き込まないこと。
早く出ることよりも、安全に出られる形を作ること。
柱と待機車両が邪魔な現場では、この考え方が特に重要になります。