今日のニュース
1. ホルムズ海峡、イランの封鎖宣言にも米軍が「通航継続」を表明
米中央軍(CENTCOM)が、イラン関連組織によるホルムズ海峡の一方的な封鎖宣言に対し、同海峡は商業船舶の通航に開かれたままだと改めて表明した。中東情勢の緊張は原油タンカーだけでなくコンテナ船の運航判断やサーチャージ、保険料にも波及しうるため、海運市況の不安定要因として警戒が強まっている。
https://gcaptain.com/u-s-military-says-hormuz-open-after-iran-declares-strait-closed/
2. 中国の自動車輸出急増、コンテナ船社にも追い風
中国の5月の乗用車輸出が前年同月比73%増の約80.9万台に急増し、EVを中心とした輸送需要の拡大で自動車専用船の用船料が最高値を更新、スポット船腹がほぼ払底した。コンテナ船社も自動車関連貨物の好況を取り込んでおり、アジア発航路全体の船腹需給に影響を与えていると報じられた。
https://splash247.com/containerlines-cash-in-on-chinese-car-export-boom/
3. 船舶燃料価格が下落基調、中東緊張の緩和観測が背景
世界の船舶燃料(バンカー)市場が下落基調を続けており、中東情勢の緊張緩和が要因と報じられた。燃料価格の低下はコンテナ船社の運航コスト圧縮につながる一方、燃料サーチャージの算定根拠にも影響する。原油・燃料市況の動向は今後の海上運賃の先行きを左右する重要な指標となっている。
(英語)https://container-news.com/global-bunker-market-extends-decline-amid-easing-middle-east-tensions/
4. IMO、ホルムズ海峡付近のタンカー攻撃を非難
国際海事機関(IMO、国連の海運専門機関)が、ホルムズ海峡付近で発生したタンカーへの攻撃を非難する声明を発表した。要衝での船舶攻撃は航行の安全を脅かし、海運各社の運航判断やリスク評価に直結する。コンテナ船を含む国際海運全体の安全確保が、改めて重い課題として浮上している。
(英語)https://container-news.com/imo-condemns-tanker-attack-near-strait-of-hormuz/
5. COSCO、米向け貨物に緊急燃料割増金を新設
COSCO(中国の大手コンテナ船社)が、米東岸向けおよび同地域経由の貨物を対象に緊急燃料割増金(EBS)を新たに導入すると発表した。米国向け航路のコスト環境の変化を運賃に転嫁する動きで、北米航路を利用する日本の荷主にとっても輸送コスト増につながる可能性がある。
(英語)https://container-news.com/cosco-announces-emergency-bunker-surcharge-for-us-bound-cargo/
6. ハパックロイド、アフリカ向け貨物のピークシーズン割増金を改定
ハパックロイド(ドイツの大手コンテナ船社)が、アジア・オセアニア発アフリカ向け貨物のピークシーズン割増金(PSS)を改定すると発表した。需要期を控えた運賃調整の一環で、対象航路の海上運賃は引き上げられる見通し。アフリカ向け貨物を扱う荷主の輸送コストに影響が出る見込みである。
(英語)https://container-news.com/hapag-lloyd-updates-peak-season-surcharge-for-africa-bound-cargo/
7. オランダのVertomとUAL、事業統合計画を発表
オランダの海運・物流大手Vertomと、多目的船専業のUniversal Africa Lines(UAL、アフリカ航路を手がける海運会社)が事業統合計画を発表した。Vertomの近海輸送網と80隻超の船隊を束ね、ブレークバルクやプロジェクト貨物、コンテナ輸送など主要分野でのネットワーク拡大を狙う。
https://splash247.com/dutch-shipping-groups-vertom-and-ual-set-out-combination-plans/
8. シー・カーゴ・チャーター、混乱の中でも排出実績を維持
海上輸送の脱炭素枠組み「シー・カーゴ・チャーター(SCC、荷主・船主が排出量を開示する国際的枠組み)」の参加企業が、2025年も地政学的混乱の中で気候性能をおおむね維持したと年次報告で示した。署名企業の排出実績は国際海事機関(IMO)の目標経路から平均11.6%遅れる水準にあるという。
https://splash247.com/sea-cargo-charter-members-hold-emissions-line-despite-shipping-turmoil/
9. 香港、海運・商品取引企業の誘致へ新税制優遇を導入
香港が、海運関連企業と商品取引業者を呼び込むため新たな税制優遇を導入する。現物のコモディティ取引に対し通常の半分となる8.25%の優遇税率を適用するのが柱で、国際的な海事・商品取引ハブとしての地位強化を狙う。アジアにおける海運ビジネス拠点をめぐる競争に影響を与えそうだ。
https://splash247.com/hong-kong-unveils-new-tax-breaks-to-lure-commodity-traders-and-shipping-firms/
今日のまとめ
ホルムズ海峡をめぐる緊張が最大の焦点で、米中央軍(CENTCOM、米軍の中東地域統括司令部)がイランの封鎖宣言に対し通航継続を表明する一方、IMO(国際海事機関、国連の海運専門機関)はタンカー攻撃を非難するなど、地政学リスクが海運市況の不安定要因として警戒されている。コスト面ではCOSCO(中国の大手コンテナ船社)の米向け緊急燃料割増金やハパックロイド(ドイツの大手コンテナ船社)のアフリカ向け割増金改定といった運賃調整が相次ぐ一方、中東緊張の緩和観測を背景に船舶燃料価格は下落基調にあり、コスト環境は強弱が交錯している。中国の自動車輸出急増による輸送需要の拡大、オランダのVertomとUALの事業統合、香港の税制優遇導入など、需給と業界再編をめぐる動きも目立った。
ここ1週間のまとめ
この1週間はピークシーズンの早期到来と米国の関税を見据えた駆け込み輸送が重なり、SCFI(上海輸出コンテナ運賃指数)やDrewry(英国の海運調査会社)のWCIが急騰するなど、運賃高が最大の話題となった。中東情勢の悪化でフーシ派による紅海脅迫が再燃し、ホルムズ海峡やオマーン湾での航行リスクが高まったほか、パナマ運河の喫水制限再開も加わり、地政学・自然要因が運航を圧迫した。一方でコンテナ船の発注残高が船腹量の39%と2010年以降の最高水準に達し、目先の需給逼迫と先行きの船腹過剰という相反する力学が同時に進んだ。船社の動きでは、CMA CGM(フランスの大手コンテナ船社)やハパックロイド(ドイツの大手コンテナ船社)によるピークシーズン課金拡大、極東発インド・アフリカ航路の共同運航再編が目立った。脱炭素・DX面でもメタノールや原子力推進船、船員証明書の電子化など次世代インフラへの布石が相次いだ。
海コン部会
6/12(金) PC18【植検作業予定時間】
(阪神港海上コンテナ協会)
https://www.hma-web.or.jp/infomation/612-pc18.html
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