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2026/04/11

トレーラーの内輪差 まさかの6メートル!?

「トレーラーは内輪差が大きい」と一般に言われていますが、トレーラー教本などにその内輪差を数字で表現しているものはまず見当たらないでしょう。車両スペックや道路構造によって変わるためです。

そこで、この記事では海コントレーラーに限定して、20ft2軸/20ft3軸/40ft2軸/40ft3軸シャーシの場合の内輪差をシミュレーションしてみました。

環境条件としては、左直角の左折。低速でギリギリ粘ってから一気に左旋回して車体右側のフェンスをなぞる、というような走り方を想定しました。 なお、比較条件を揃えるため、シャーシの種類に関わらずヘッドの軌跡は同一にしています。

また、今回は軌跡がわかりやすいようにタイヤ痕のような車両軌跡を重ね合わせています。

なお、この記事での「内輪差」とは、一般的な前輪・後輪の軌跡の差ではなく、ヘッド前輪とシャーシ後輪の軌跡の差を指すことにします。

20ft2軸

まず、20ft2軸シャーシのアニメーションを見てください。

アニメーションを見ていただくと、ヘッド左前輪のイン側が目盛の4.5mの位置を通っていることがわかると思います。 そして、シャーシ後輪イン側は9.3mくらいの位置を通っています。 したがって、この20ft2軸シャーシの場合、内輪差は約4.8mということになります。

20ftでも意外に内輪差が大きいと思いませんか?
一般的な幹線道路の車線幅は3.5m程度ですから、幅だけで言えば1車線以上踏み潰すことになります。

20ft3軸

続いて、20ft3軸シャーシのアニメーションを見てください。

ヘッド左前輪のイン側が目盛の4.5mの位置です。これはシャーシに関わらず同じ数字です。 そして、シャーシ後輪イン側は9mをわずかに超えた位置を通っています。 したがって、この20ft3軸シャーシの場合、内輪差は約4.5mということになります。

2軸の4.8mより小さくなっています。これは、トレーラーにおける仮想的な後輪位置の違いによるものです。2軸シャーシでは2本の軸の中間点が、3軸シャーシでは中軸がそれぞれ仮想後輪として機能します。3軸の中軸は2軸の中間点より前に位置するため、結果的にホイールベースが短くなり、内輪差が小さくなるわけです。

40ft2軸

次は、40ft2軸シャーシのアニメーションを見てください。

ヘッド左前輪のイン側が目盛の4.5mの位置です。
そして、シャーシ後輪イン側は10.5mの位置を通っています。
したがって、この40ft2軸シャーシの場合、内輪差は約6mということになります。非常に大きいですね。

40ft3軸

そして最後は、40ft3軸シャーシのアニメーションを見てください。

ヘッド左前輪のイン側が目盛の4.5mの位置です。 そして、シャーシ後輪イン側はちょうど10mの位置を通っています。 したがって、この40ft3軸シャーシの場合、内輪差は約5.5mということになります。

ちなみに、アプローチでは車体右側のオレンジの線(フェンス等を想定)にギリギリに寄せていますが、左折後の立ち上がりではあまりオレンジの線に寄せていません。その理由は、寄せすぎるとこの40ft3軸シャーシ(またはコンテナ)の右前の角がオレンジの線に接触してしまうからです。 実車でも気を付けなければいけないポイントです。

まとめ

今回は、海コントレーラーのシャーシに限定して内輪差を具体的にシミュレーションしてみました。 大雑把には、20ftシャーシでも約4.5〜4.8m、40ftシャーシだと5.5〜6mもあることがわかりました。 これは、幅としては一般的な幹線道路の車線幅3.5mを軽く踏み潰すほどです。

また、いずれのコンテナサイズでも、3軸シャーシのほうが2軸より内輪差が小さいという結果になりました。これは、2軸と3軸では仮想的な後輪位置が異なるためで、3軸の方がホイールベースが短くなることによるものです。「3軸は取り回しが楽」という現場の感覚には、こういった理由があります。

もちろん、この内輪差は交差点やカーブの旋回半径によっても異なりますし、メーカー毎の車両スペックによっても違うと思いますが、直角に曲がる場合にはこういった数字になることを覚えておくといいのかなと思います。