今日のニュース
1. 東アジアの台風連続発生、港湾混雑と船舶遅延を深刻化
東アジア各地で台風が相次いで上陸し、コンテナ輸送の混乱と港湾運営・船舶スケジュールへの圧迫が広がっている。海運大手マースクによれば2026年の台風シーズンは平年を上回る活発さを記録しており、短期間での複数上陸が浸水や混雑、遅延を招いているという。台風シーズン終盤まで同地域発着のコンテナ航路では遅延リスクへの警戒が求められる。
(英語)https://container-news.com/east-asia-typhoons-deepen-port-congestion-and-shipping-delays/
2. ロシア寄港停止、黒海リスクで欧州船社に拡大
黒海周辺の商船に対する攻撃が相次いだことを受け、トルコ船社アルカス(Arkas)とアッコン・ラインズ(Akkon Lines)がロシア向け全港湾への寄港を停止した。両社の対応は地中海海運会社(MSC)やロシア極東船社(FESCO)によるノヴォロシースク寄港停止に続くものである。ロシア関連航路のコンテナ輸送網は一段と縮小し、迂回・代替輸送の検討が広がる見通しである。
(英語)https://container-news.com/more-carriers-halt-russian-port-calls-as-black-sea-risks-escalate/
3. イラン、ホルムズ海峡でタンカー攻撃 米との応酬激化
イランがホルムズ海峡の無許可航路を通過したタンカー3隻などを標的にしたと発表した。米国との軍事衝突が続く中、両国間で船舶への攻撃が応酬される事態となっている模様である。同海峡は原油輸送の要衝でもあり、迂回や保険料上昇を通じてコンテナ船の運航にも影響が及びかねない。
https://gcaptain.com/iran-us-trade-tit-for-tat-tanker-attacks-as-war-drags-on/
4. ドローン被弾のコンテナ船「RMS Team」、全損認定
1100TEU積みのコンテナ船「RMS Team」が、火災被害の拡大を受けて修理不能な全損と認定された。同船はロシアのノヴォロシースク港へ向け黒海を航行中の8月21日にドローン攻撃を受け、火災発生により乗組員が退船を余儀なくされている。黒海航路を利用するコンテナ船の安全確保が改めて課題として浮かび上がる事例といえる。
(英語)https://container-news.com/drone-hit-containership-rms-team-declared-constructive-total-loss/
5. COSCOシッピング、2026年上半期は増収減益 コンテナ荷動き8%増でも純利益34%減
COSCOシッピング・ホールディングスの2026年上半期決算で、コンテナ取扱量が前年比8%増の1428万TEUに拡大した一方、グループ純利益は前年比34%減の134億元にとどまった。傘下のCOSCOシッピング・ラインズとOOCLの荷動き増加が業績を下支えする中、運賃水準の低下が採算を圧迫した形で、荷動き増でも収益確保が難しい市況環境を映す結果となっている。
(英語)https://container-news.com/cosco-shipping-holdings-profit-falls-34-in-first-half-of-2026/
6. CMA CGM、10月からFAK運賃と各種サーチャージを改定
フランスの海運大手CMA CGMが2026年10月1日付で複数航路の運賃・サーチャージを見直すと発表した。南米東岸発のFAK(基本運賃)新設に加え、他航路では運賃回復措置(RRI)や繁忙期割増(PSS)も導入される予定である。荷主にとっては秋以降の輸送コスト見通しに直結する動きとなり、海コン各社の運賃戦略にも影響を与えるとみられる。
(英語)https://container-news.com/cma-cgm-announces-new-fak-rates-and-surcharges-from-october/
7. FESCO、上半期コンテナ取扱量22%増も利益は急減
ロシアの輸送大手フェスコ(FESCO)が2026年上半期にコンテナ取扱量を前年同期比22%増の37.7万TEUへ伸ばした一方、利益は大きく落ち込んだ。物流収益は8%増加したものの、コスト増などが利益を圧迫したとみられる。数量拡大が必ずしも収益改善に直結しない構図は、他のコンテナ船社にとっても収益管理上の教訓となり得る。
(英語)https://container-news.com/fesco-container-volumes-rise-22-as-profit-falls-sharply/
8. X-Press FeedersとT.S. Lines、インド亜大陸・紅海圏で新規地域航路を相次ぎ開設
シンガポールに拠点を置くフィーダー船社X-Press Feedersがスリランカと南西インドを結ぶ週次シャトル航路を、香港の船社T.S. Linesがサウジアラビアとエジプトを結ぶ紅海域内航路をそれぞれ開設した。両社は地域内需要の取り込みを狙い個別に航路網を拡充している。インド亜大陸・紅海周辺の地域内輸送体制強化は、同海域を経由する日本発着の幹線コンテナ輸送にとっても接続選択肢の広がりを意味する。
(英語)https://container-news.com/x-press-feeders-and-t-s-lines-launch-new-regional-services/
9. ハパックロイド、MCA航路でサレルノ寄港を一時休止
ハパックロイドがMCA航路のバルセロナ・エクスプレス便85W37について、2026年9月8日に予定していたサレルノ寄港を運航スケジュール回復措置として省略すると発表した。同社は該当する輸出貨物を代替船に振り替える方針を示している。地中海航路では寄港省略による接続変更が生じやすく、荷主・海コン事業者は代替輸送計画への影響を注視する必要がある。
(英語)https://container-news.com/hapag-lloyd-omits-salerno-call-on-mca-service/
10. CMA CGMとRSGT、ジッダ港に434百万ドル規模の新ターミナル建設で最終合意
CMA CGMとレッド・シー・ゲートウェイ・ターミナル(RSGT、サウジアラビアの港湾運営会社)がジッダ港第4ターミナル開発で最終合意に達し、投資額は約434百万ドルに上る。完成後は年間約260万TEUの取扱能力を持つ見込みである。紅海・中東航路のハブ機能強化につながり、同海域を経由するコンテナ輸送網の拡充に資する動きといえる。
(英語)https://container-news.com/cma-cgm-and-rsgt-confirm-434-million-jeddah-terminal-project/
11. スザノ、ブラジル・アラクルスのコンテナターミナル計画に10%出資へ
ブラジルの製紙・パルプ大手スザノが、港湾運営会社ハンザ・グローバル・ターミナルズによるアラクルス港でのコンテナターミナル計画に10%出資する見通しとなった。同計画は年間取扱能力120万TEUの新ターミナル建設を目指すもので、地元紙報道によれば出資は関連用地とも結び付くとされる。南米東岸の輸出インフラ拡充として、同地域発着コンテナ航路の荷動きにも影響し得る動きである。
(英語)https://container-news.com/suzano-to-acquire-10-stake-in-aracruz-container-terminal-project/
12. NY/NJ港、ゼロエミッショントラック導入へ助成制度を開始
ニューヨーク・ニュージャージー港湾局と非営利団体カルスタート(CALSTART)が、ゼロエミッション対応のドレージトラックやターミナルトラクター、充電インフラ整備を支援する総額4500万米ドルの助成制度を今秋開始すると発表した。北米港湾では環境規制強化を背景に脱炭素投資が加速している。ドレージ輸送の電動化は、コンテナ陸送コストや荷主の環境対応にも影響を及ぼしうる動きである。
(英語)https://container-news.com/port-of-ny-nj-launches-zero-emission-truck-and-charging-incentive-programmes/
今日のまとめ
東アジアでの台風連続上陸に加え、黒海やホルムズ海峡での攻撃・寄港停止が相次ぎ、地政学リスクと自然災害の両面からコンテナ輸送網の混乱が深刻化している。荷動きは各社とも増加傾向にある一方、運賃下落やコスト増により収益は圧迫されており、量的拡大と採算確保の乖離が鮮明である。その中でも中東・南米・北米では新規ターミナルや脱炭素インフラへの投資が進み、供給網の中長期的な強化に向けた動きが継続している。
※ 週末は業界メディア・政府機関の配信が減るため、本日は掲載本数が通常より少なくなることがあります。
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ここ1週間のまとめ
ここ1週間は、パナマ運河庁による予約制度緩和や喫水制限見送りなど輸送力確保に向けた動きが続く一方、アジア主要港の混雑を背景に世界のコンテナ船の定時運航率が56.4%まで急落し、5年ぶりの下げ幅を記録するなど運航スケジュールの不安定さが際立った。太平洋航路の運賃は堅調な需要と港湾混雑を受けて上昇する一方、欧州・アジア間航路は弱含み傾向で航路間の格差が拡大している。ホルムズ海峡や黒海周辺では軍事的緊張や船舶被害が相次ぎ、地政学リスクがコンテナ輸送の航行安全に影を落とし続けている。COSCO(中国国有海運大手)やテナマリス(ギリシャの海運大手)などによる新造船発注が相次ぐ一方、船隊総輸送能力は3400万TEUに達する見通しとなり、供給過剰への懸念も強まっている。マースクによる帆走支援装置やローターセイルの試験導入、ロイズ・レジスターとの原子力推進船研究など、脱炭素化に向けた技術実証も着実に進展した。国内では横浜港のデジタル化推進や港湾工事の生産性向上策など、行政主導の基盤整備も並行して進められている。
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